文脈の事故

オール・ノンフィクション

2024/03/18

休みになると棚を作っていた。本棚はもちろん、余った端材で道具用の棚とか、撮影機材の棚、日常使いの棚を作る。時間の分、それなりに進みがある。料理の次に時間と比例した作業ともいえる。

自分の時だけ卒業式が開かれず、受賞作品集は製本されず、そもそもの卒試の先生は来ず。数々の不公平とは裏腹に棚は正直であり続ける。人ではなく棚を信じている。

2024/03/16

映画のエゴイストを観てる。Facebookの友だちかな?を見てたら大学生の頃に会ってた男の名前が出てきてびっくりした。諦め癖があるよねとか、横浜のレストランで足絡ませてた事、居酒屋のおばちゃんに友達だと紹介してた事、諦めた一瞬の景色が過った。戻れないし戻りたくもない、でもじとっとした心残りは留まり続けるの。

2024/02/26

どうしようもないあなたの隣に座っていたよ。映画祭の一つも行けなかった腹いせに適当な映画を家で観てたら、越してきた二年前、プロジェクターで部屋の壁一面に映画を投影した思い出。貯金で過ごしてなんとか修了できた私は頑張った。だらだらとぬるい氷とコーラの余りが水になって境目がよくわからなくなる10分を六年間溶かし続けた。時間が寝てた。くるくる線を描いた。線のカーニバル。でももう引き返せないよ。もう戻れないの。そんな事ばっかりだよ。この部屋はもうじきうるさくなる。曇天返しだよ。映画の男みたいな喋り方。