卒業式が中止になった。浮いたまま暮らしている。ドイツ人講師が教えてくれたパスタ屋でカルボナーラ。駅の改札通ったら若い女からすれ違いざまにわざとぶつけられる。突然の出来事に脳が追いつかず、歩きながら、女のほうをじっと睨んでいた。向こうはわざと無視してるかのようで、美味しかったパスタの記憶が吹っ飛んで全部嫌になった。学校へ。やるべきことを粛々とこなしながら、頭をもたげていた謝恩会の開催可否をようやくラインで訊く。通常通り開催する。教授の芸術選奨。意味わからないことが意味わからないまま起きている。頭が痛くないんだけど痛い。苦い。
一人暮らししたいと考えてた。目白か代々木公園。折り畳みの自転車で毎朝自転車通勤してる生活。手取り15万から18万で出来ることを考える。黒沢清の記事。映画を健康に作る的な。8時〜17時まで勤務で、その後は"自由"時間にしてるとか。部屋が欲しかった。本当に一人になるための時間。大学院時代の生活を考える。いつ来ても大抵研究室にいる同期がいて、僕はそいつに負けたくないとか学費回収しようと奮い立って、意図的に何泊もしてたわりには作業が思いのほか進まなくて、三週間ぶりに帰る電車で帰れる喜びを噛み締めているような生活ぶりだった。本末転倒というか。ちゃんとした生活をしたいと思ったんだけどいま頭にそういえば渡欧するかもしれかいことが過った。わからないままにしていたい。時間の質と金の量を天秤にかけている気がした。なみなみの朝をひたひたにくゆらせて、そこに立つ空虚な湯気を淹れていたい。
キレないように必死だった。都合の良い男と女たちの対処法。