文脈の事故

オール・ノンフィクション

2022/01/08

塩田さんのアトリエに行く。まず作品の規模のデカさに驚き慄く。予算とか展示場所とかもとにかくデカく、そのぶんリスキーだから保存の方法も考えなきゃ云々。アトリエにいた上野さんとも初めましてで、前から話したかったので嬉しかった。

その後、家でディナー。久々のお雑煮が沁みた。餅ってこっちで買えるんだって感じだった。こっちにいながら日本を思い出す、もしくは堆肥のように記憶を混ぜて発酵させるための食事。贅沢おいしい温かい食事は身と心に健康を及ぼすね。僕も辰巳屋のマー油とんこつラーメン思い出しながら料理したい。

僕の新居の最寄り駅はゲイフレンドリーなエリアにある。電車を降りて改札を抜けたら男同士で軽いキスをしていた。日に日にこっちでずっと暮らしてたい思いが増すから生き残りの策を考えないとね。

旅行したいなぁ。塩田さんの家で日本の温泉の本を読んでたから。あと旅行してないの?みたいな話題になってた。ポルトガル、スペイン、サグラダファミリアは行ったほうがいいよ。恋人みたいな人と行けたらいいなと思った。最高だろうな。

自宅のエレベーターでばったりブロンドのドイツ人らしき女性と黒色の犬に出くわす。あまりのばったり感溢れる邂逅に両者驚き、ごめんと言ったら扉開けとくねと返された。塩田さんちの猫も黒かったしおれんちのゴミ箱も黒い。ついでにおれは黒のコートを着ててどうでもいい。黒の季節。