文脈の事故

オール・ノンフィクション

2019/07/19

作り続けていると漠然と殺されてしまうかもしれないという得体の知れない恐れがじわじわと襲っている。昨日は学校で一番苦手なカラオケで一番嫌な記憶が植え付けられてしまったので早々と帰った。インスタには同期の女のストーリーが流れていて、あぁ絶対に相入れないんだなと確信を覚えながらその女の笑い声にあらゆる矛盾や展開を感じた。私は意志を無くしてまであの役職をやるべきだったのだろうか。求められているのが意志の無さのように感じて、我を忘れて務めていたのに挙げ句の果てにそれが自分に返ってきてしまったから、もう何もわかろうとしていない。というのをエッチして寝たら忘れた。ありがとう

2019/07/02

効率の良い詐欺

効率の良い作業をする人か否かという議論がなされていて、学部の時の最初に抱いた違和感を思い出した。周りはエンジニアが多く、少しでも効率良く作りたい人の集いで、貪欲に手描きやコマ撮りをしてきた僕はひどく場違いというか、手間をかけた手作業こそが人を感動させるはずだという迷信に引っ掛かっていた。僕は効率を厭わない。

2019/06/21

こんな事になるんなら最初から費やすべきではなかったという確信が漏れているのです。就活から解放され進路未定に大きく舵を切った今日はおめでとう。どうなろうが自分は自分なので心配しなくても大丈夫です。頑張ろう。

 

父親の影響が大きいと思った。物心つく頃から好きなことをやれ、とはよく言われてきたけど、好きなことと仕事は別物だというか、アーティストみたいな才能が求められる職なぞお前に務まるのかみたいな、これは兄の影響も大きい。兄はひたすらおれに才能が無いと言ってくる。おれはおれで兄に才能は無いと思う。

 

どういうわけか根無し草のような半年間を送ってしまった。修士の二年間の中で一番削除したい期間はいつですかと訊かれたら今だと間違いなく答えるね。無視して走ろう。

2019/06/11

思い出したくない事を思い出す。電車の中で。男の画像を見て、似てる男のキスを思い出す。最後にホームラン打てるかな。最後にホームラン打ちたいな。最後にホームラン打てばいいの。後悔しないように。

2019/06/10

私のような車がごうごう走っている。音がしない。走っている事はわかる。かたつむりのスープを一口飲んだら、目前の景色がまるで変わってしまった。東京唯一の盛り下げ役、江戸が生い茂った頃に草が生える。ごうごう生えている。ミニマリストのサバンナに身を放り投げ、泥水の珈琲を一気に吸い上げて一瞬目を閉じたら一生が終わってしまった。

20190602

その男は何でも神聖にしたがるのが趣味だった。例えばネッサン・ドルマを流しながらセックスをしたりしていた。長いトンネルでエコーが何倍も反復するなか車上結婚式を挙げたりしていた。ブーケトスはもはや責任転嫁状態で、受け取った人の笑い声、近くで見ていた人の泣き声、地中の死体、全員が一斉に笑いを挙げた。音のないポリフォニーがその場限りで響いた。しなやかな森で起きた自殺の音が部屋にこだましていた。鳴り止もうとしていたのもつかの間、ご主人の死んだ時計屋の生きていた時計がたくさんの響きで死を歓迎した。