文脈の事故

オール・ノンフィクション

落ち着かない

3月1日を皮切りに、TLがつまらなくなった。
3月21日は落ち着かなかった。自室にこもって、ESを30分書いては、だらだらネットサーフィンして、またやる気出して、またネットサーフィンして、の繰り返しだった。皆就活をしている。フリーランスになりたいと言う人はいない。

「あっけな」
と最近よく言うようになった。
くるぶし、こめかみ

理想と現実
1995年北海道出身。慶應義塾大学卒業。東京藝術大学大学院在籍。
その肩書きの先にあるもの。肩書きを一枚一枚剥がしてしまえば、何になる?

アニメーター。映像作家。アーチスト。現代美術作家。音楽家。非常勤講師。フリーランス。アルバイト。フリーター。

ベッドの上で抱きしめて朝が来てカーテンから光が漏れてて彼が淹れたコーヒーを一口飲んで抱きしめあって一緒にシャワーを浴びあってまた抱きしめあって彼の家の近くのギャラリーに行ってその後カフェに行って他愛のない話をしておれは本を読んでて彼はPC開いてノートに何か書いていて一時間半くらい経ってコーヒーをすっかり飲み干してて。ねぇ何をすればいい?おれは一体何をすればいい?そんなの誰も答えるわけないじゃん。誰かが解答を持ってるわけじゃないんだから。そうゆう自問自答が頭のなかで繰り返し繰り返し処理されている。そうゆう未問未答が頭のなかで繰り返し繰り返し反復されている。彼とこれからどういう関係になるんだろう。どういう関係にもなれないのかもしれない。だって彼といくら深い関係を持ったところで、現代の技術で子どもを望むことなんて不可能だし、孫の顔を見せる月日もどんどん遠ざかるばかりなの。そういう綿の中を生きている。そういう綿の中で、深い深い水中に沈められたように、息ができなくなっていく。この状況は説明会の時にそれほど仲良くない同期と会った瞬間に似てる。「君なら絶対受かるよ」「えーっ、君は◯◯に行きたいんだ」空気というぬいぐるみの中を、言葉という綿で詰めていく。必死に。必死に。そういう気まずさを彼は忘れさせてくれるのだろうか。忘れさせてくれないのかな。どっちでもいいや。どっちでもよかったら何だってできないよ。そうやってお前はまた判断を先延ばしにする。コーヒーを飲み干して、私と彼は席をおもむろに立ち上がり、会計を済ませ、外の空気を吸う。あぁ、今日も何もできないんだな。今日は何もしない日なんだ。いいよ、何もしなくたって。彼は私の無気力を許してくれそうな気がする。私はそれを見て、彼を無性に抱きたくなる。「このまま閉じ込められたらいいのに」。サブカル映画の一節が脳裏に蘇る。(ここでパン!と本を閉じる。)