文脈の事故

オール・ノンフィクション

2021/04/04

夢。触覚デバイス。温度が暖かくなる。かつVRで見ているものと連動して触覚が提示される。身につけた母親が「まさと…まーさーとー!!!」と叫んでいる。どうやら子どもを亡くしているらしい。そんなことあるか。これきっと夢だし。でも僕にはその感覚がわからない。その事実が蝕み、僕は呆然と立ちすくむ。

起きる。時差ボケのせいで部屋はまだ薄暗い。薄い青色からオレンジ色のグラデーションのなかに鳥が何羽か囀る。まだ起きたらその音で隣の大家さんを起こしてしまうかも。寝るか。息を潜めて暮らしている。どこかの国で音を殺して生きる。僕がまさとか?