文脈の事故

オール・ノンフィクション

台湾で同性婚が可決されたと聞いた今、心底どうでもいい、ほっといてくれよ、気持ちが混乱している。こないだ早稲田の台湾人留学生と会った時に赤裸々に恋愛事情を話したら「わかるよ。おれもいま付き合って一年の彼氏がいる。台湾に帰ったらそいつと一緒に住むと思うんだけど、今のこの感じはきっと続けられないだろうな。」と言っていた。僕は、この関係が続いて欲しいな、と思った。僕と彼の決して侵されない、でもどこか片隅で思い合う余地が残されている、些細で不純な関係。そしてそれは、それまで体関係を求めてやってきた自分にとって、あぁ、ここまで異常になったかと思いきや、まだまだこう思える正常さがあったんだありがとうと感謝をした。僕は彼の幸せを祈っている。

異常さだとか愛がどうだとかどうでもよくて、やっぱり僕は身体が先のこの界の掟を受け入れることができない。それはこの先もずっと続いていくだろう。スピード感が異様に速い。それも追いつくことができない。ただ恋愛をしたいのに。叶うものなら異性と恋愛してみたい。