文脈の事故

オール・ノンフィクション

生きイキ

友人が「中学生時代同じ塾に通っていた友人が出産した」ツイートをしていて、真っ先に自分の経験を思い出した。
それは高校1年の時に留学していたカナダでの出来事。

僕が通っていた留学先の高校は現地の公立校で、治安も良くなく、託児室が高校の中にあるくらいだった(だから授業の時に教室の横を保母さんが乳母車を動かしていく様子をよく見た)。そしてあろうことか、横に太い同い年の女子が妊娠した。父親については一切明かされなかった(そういう仲じゃなかったからかも)。そいつは出産した。うろ覚えだが、そいつの子の父親はわからないのかドメスティックな関係だったからなのか、籍の父親の欄は未記入だったらしい。それに心配を感じた女子の友人(その友人も女子でありビアンである)が、「私が親になりたい」と言って籍に名前を書いたらしい(認められたのかは知らない)。いまその出産した女子のFacebookアカウントを探したんだけど見つからない。元気なのかな

荒れた地域だった。通りには夜になると不審者が出て、車の窓ガラスには卵が投げつけられているみたいな地域。ホームステイ先もADHDの母親と連れ子と母親の連れた再婚した父親の家族で、連れ子と父親がいつも怒鳴りあってて、連れ子は連れ子でADHDで人の思いやりが欠けてて自分の欲のまま止まらないみたいな性格で。おれもおれだった(ここでは絶対に言えない)。

ナヨナヨしてた友人もここ二、三年で親になっていった。高校も卒業しないうちに親になっていった。

ビアンもゲイもよくいた。友人がビアンでその友人を載せた車でゲイの友人が「ねえこいつビアンだけど、なんとも思わないよね?」みたいなこと言われてた。その経験が影響している、みたいな物言いをおれはよくするんだけども、でも今もビアンもゲイも異質なものと見てしまう。

とにかく荒れた地域だったと思う。誰もかも何かしらの闇を心に抱いていた。